フラグスタートで聴くワルキューレ

『ワルキューレ』第1幕:クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィル

 先日、 ロリン・マゼールが編集した、言葉のない「指環」~ニーベルングの指環 管弦楽曲集~のことを書いたが、ついでにキルステン・フラグスタートの事も書いておかなければいけないだろう。
 b0133710_11255159.jpg今や伝説になった名歌手。 1895年生まれで、歴代ワーグナー歌手の中でも最高と言われた存在である。
 1930年代半ばにはすでに世界的な大歌手として活躍していたフラグタートであるが1953年に引退をしてしまう。しかしデッカは、引退していた彼女を説得し、ステレオ・レコーディングにより、彼女の偉大な声を残すことに成功したのである。





 画像オペラの録音は、『ワルキューレ』第1幕全曲でのジークリンデ役と、第3幕全曲でのブリュンヒルデ役、そして『ラインの黄金』全曲でのフリッカ役というものだが、私の保有しているアルバムには『ワルキューレ』の第1幕が収録されている。
 それにしても、何という気高い顔であろうか!! まさにジークリンデそのものではないかと思わせる顔である。
 録音については、ステレオ初期のものであるために完全とは言いがたい。 
 しかしである・・・今から60年近くも前の声と演奏ががそこにあるのである。 1957年当時のウィーン・フィルの個性豊かな音色が聴けるのである。
 指揮者のハンス・クナッパーツブッシュの悠々とした巨大なスケールの演奏にもケチをつけるのはよそう。 圧倒的な演奏である。 フラグスタートのジークリンデは気高く、その美しさは例えようもない。 まさに人類の宝とも言えるのではないか。
 フラグスタート亡き後は ビルギット・ニルソンという素晴らしい歌手に恵まれたが、それでもフラグスタートを超えたとは言えないであろう。 録音された遺産を有りがたく思う。 
 
【CDデータ】

 ワーグナー:楽劇『ワルキューレ』第1幕全曲
 ジークリンデ:キルステン・フラグスタート(ソプラノ)
 ジークムント:セット・スヴァンホルム(テノール)
 フンディング:アーノルド・ファン・ミル(バス)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

 録音時期:1957年10月28~30日
 録音場所:ウィーン、ゾフィエンザール
 録音方式:ステレオ(セッション)
 プロデューサー:エリック・スミス
 エンジニア:ジェイムズ・ブラウン
by ex_comocomo | 2012-08-25 10:54 | クラシックの楽しみ | Comments(0)
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