聴いたら危険!ジャズ入門


聴いたら危険!ジャズ入門
         田中啓文 著

 本のタイトルは危険だ。 思わず手にとってみたくなる。
 カバーの裏には次のようにある。

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この本は、いわゆる名盤事典ではありません。作家であり、ジャズエッセイストでもある田中啓文セレクトによる今のジャズを支えているミュージシャンの横顔を紹介し、とっつきにくいと思われているジャズ(とくにフリージャズ)に関する敷居を思いっきり下げるための入門書です。ジャズに棲む、危険で素敵なやつらに触れたなら、きっとアナタもハマります!




 著者は1962年生まれの作家。私より20歳近くも若い人が書いている。 相当にジャズが好きなんだろうなぁ~~~
 内容は Part1 が海外の歴史的巨匠、 Part2 が現代のジャズシーンを支えるプレーヤー、 Part3 が日本のアーテストの3部構成である。 

 巨匠といわれる人が15人、現代のプレーヤが18人、日本のジャズメンが29人。 いわゆるフリージャズ系のジャズ・ミュージシャンの紹介になっているようだ。 すべての人がフリーというわけではないが、著者の好みが現れているように思う。
 さて、巨匠の部は ローランド・カークやファラオ・サンダース、エリック・ドルフィーやオーネット・コールマン。 知っている人たちだ。 だが、私の好きな方のジャズメンではない。 特にオーネット・コールマンなんかはは ”何でこんなジャズなの?”であったから・・・もっとも、著者もオーネットは「わからん」といっている。
 私はジャズでもメロディー派なのであった。聴くのは精々エリックの ラスト・デイトくらいかなぁ~~~

 ところで、現代のジャズメンのパートを読んでみると知らないひとばかりだ。 知らない人の評論は評価のしようがないから鵜呑みにするしかない。 でも、この人たちのアルバムは要注意なのである。

 たとえば著者は エヴァン・パーカーを 「とにかく聴いてほしい。きいて「びーーーっくり」してほしい。エヴァン・パーカーのソプラノ・ソロの衝撃は、口で百万遍ぐだぐだ説明してもわからん。管楽器ソロ即興に金字塔を打ち立てたこの音群は今でも特出した輝きを放っている。聴いて、お願い聴いて!」 とあるから聴いてみたくもなるが・・・
 私もジャズが好きだけど、ここまではのめり込んでいない。

 ただ、この本は何とも言えない猥雑さが魅力である。 フリージャズというフォーマットの魅力を好きな人の立場から強烈に伝えている。 音楽にも色々とある。

 参考に目次を示しておく

目次

 はじめに

 PART1
 海外の歴史的巨匠

 サックスの破壊獣 ペーター・ブロッツマン
 ほらふき公爵の大ワルノリ デューク・エリントン
 グロテスクジャズの魔人 ローランド・カーク
 アリゾナの砂嵐 ファラオ・サンダース
 異世界の美の探究者 エリック・ドルフィー
 気絶するほどかっこいい アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
 異星の人 サン・ラー
 永遠に謎を吹く男 オーネット・コールマン
 吹き鳴らす原始の喜び アルバート・アイラー
 フリージャズのスナフキン ドン・チェリー
 偉大なヘタウマ アーチー・シェップ
 英国音楽を変えたアフリカからの使者 ブラザーフッド・オブ・ブレス
 アグレッシヴ老人 フレッド・アンダーソン
 シンセサイザーかよ! アルバート・マンゲルスドルフ
 フリージャズで笑ってもいいですか? ICPオーケストラ

 PART2
 現代のジャズシーンを支えるプレイヤー

 テナーの音が煮えたぎる デヴィッド・S・ウェア
 想像を絶する下手くそさ ジュゼッピ・ローガン
 世界一楽しいフリージャズ カルロ・アクティス・ダート
 知性ある暴風 エヴァン・パーカー
 月刊ヴァンダーマーク ケン・ヴァンダーマーク
 ゴジラ級の大怪獣 マッツ・グスタフソン
 「世界サックス四重奏団」の屋台骨 ハミエット・ブリューイット
 どうやっとるのかまったくわからん 姜泰煥
 「出したらあかん音」の王者 ジョン・ブッチャー
 血を吐くようなブロウ チャールズ・ゲイル
 いまどきの音やおまへん イーヴォ・ペレルマン
 眩惑する音の魔術師 ヘンリー・スレッギル
 ニューヨーク現在進行形 ヒューマン・フィール
 黒人ジャズ史の凝縮 カヒール・エルザバー
 入ってれば安心! ハミッド・ドレイク
 北欧の暴れ太鼓 ポール・ニルセン・ラヴ
 現代フリージャズの「芯」 ウィリアム・パーカー
 ゲンコツと祈りのベーシスト インゲブリグト・ホーケル・フラーテン
 NYアヴァン新伝承派 ペット・ボトル・ニンゲン

 PART3
 日本のアーティスト

 私の「父親」です 山下洋輔
 天才 富樫雅彦
 このひとになりたかった 坂田明
 静寂を吹く男 阿部薫
 群を抜く存在感 林栄一
 楽器が鳴りすぎて怖い 梅津和時
 キタナイ物も嫌いではない 篠田昌已
 フリージャズじじい 井上敬三
 世界にあふれだす歓喜のノイズ 高柳昌行
 即興を真摯に追求する男 今井和雄
 この枚数では書けません 大友良英
 ひと言で言うと「どえらい先輩」 芳垣安洋
 頭蓋骨と脳がこすれあう音 内橋和久
 神様の楽器を吹いたひと 大原裕
 梁山泊の頭領 不破大輔
 永遠なる「噂の女(ひと)」 藤井郷子
 軟弱ジャズは地獄に落ちろ のなか悟空&人間国宝
 日本ジャズの大恩人 明田川荘之
 笑福亭松鶴のようなテナー 片山広明
 「きーっ」となる疾走感 原田依幸
 繊細なる図太さ 齋藤徹
 黒い大仏を吹く男 吉田隆一
 男と音楽と伝説と 川下直広
 即興桃源郷を目指して 松本健一
 異常性のなかの危険な美 スガダイロー
 度肝抜かれる凄い音 早坂紗知
 フリージャズ+エロス=(秘) 秘宝感
 全身ピアニスト 石田幹雄
 身震いするほどの快感 広瀬淳二

 おわりに
by ex_comocomo | 2012-04-09 19:36 | JAZZの楽しみ | Comments(0)
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