LPレコードのデジタル化(12): モーツアルト レクイエム・・その3


ベーム(指揮) ウィーン・フィルのレクイエム

 画像このLPにはタスキに 昭和46年芸術祭優秀賞受賞 とある。 当時のベームの評価が如何に高かったかを示すものだ。
 先に書いたようにベームは56年の録音盤があり、名演奏の評価が高い。 しかし、ウィーン・フィルとのステレオ録音も「レクイエム」の名盤として親しまれてきた。 1971年といえばベームの死の10年前、77歳である。 この当時ベームは日本では神格化されていた。 もちろん演奏はまだまだ熱く、モーツアルトの音楽の本質に迫り生と死の境地を見事に表現した演奏といえるであろう。 56年盤のような圧倒的な気迫はない代わりに人間ベームの見事な円熟した境地が出ているともいえる。 大編成のオーケストラと合唱による名盤であるといえる。

 ところで、ベームの来日は1963年、1975年、1977年及び1980年の4回であった。 初来日の1963年は、日生劇場のこけら落しのためにベルリン・ドイツ・オペラを率いて(ロリン・マゼールも同行している)の来日であった。 特別演奏会の「第九」では、あまりにも感動したファンに足に抱きつかれ、身動きできなくなったとも言われている。 伝説の始まりである。 
 私の保有するLPやCDはモーツアルトやベートーベンが多いがオペラにも名演が多い。 これらは何れもこの時代のものだ。 カラヤンと並ぶ当時のマエストロであった。 
 二回目の来日である1975年の公演は日本でのベームの人気に一気に火がついた。 ウィーン・フィルを率いての公演は非常な盛り上がりを見せ大きな反響を呼んだ。 日本では、この当時のベームは殆ど神様に近かった。 ブームである。
 しかし年齢には勝てない。 少しづつ演奏に綻びが出だすのである。 それでも、日本人はベームを好んだ。 CDの発売量を見ればわかる。 日本ほど老年期のベームを好んだ国はないかもしれない。


 画像モーツアルト:レクイエム K626
 エディット・マティス(ソプラノ)
 ユリア・ハマリ(アルト)
 ヴィエスワフ・オフマン(テノール)
 カール・リッダーブッシュ(バス)
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮:カール・ベーム
 録音:1971年4月13~14日 ウィーン(ステレオ)
 原盤の認識番号(マトリクスナンバー) グラモフォン MG2299


 
by ex_comocomo | 2012-03-03 10:32 | クラシックの楽しみ | Comments(0)
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