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LPレコードのデジタル化(11): モーツアルト レクイエム・・その2


ベーム(指揮)ウィーン交響楽団のモツ・レク

 画像これは先ずジャケットがいい。 未完のレクイエムに相応しい未完のモーツアルト像である。 このセンスを評価したい。
 さて、このLPは1956年にベームがウィーン交響楽団と録音した演奏である。
 盤面にはSTEREOの記述があるが、これは疑似ステレオである。 当時、モノーラルのLPを電気的に疑似ステレオ化したものが流行した。 フルトヴェングラーのLPなどに多い。
 ベームの指揮によるモーツアルトのレクイエムには後で述べるように1971年盤という名盤がある。 だが71年のLPに比べれば、この56年のレクイエムが同じ人間の指揮によるものとは思えないほど違いがある。 私が聴いたのはこちらが先であったから、71年盤を聴いた時にあまりの違いに驚いたものだ。

 この録音はライブ演奏である。 ライブはスタジオとは全く違う。 ベームの気迫のようなものが聴く者の心に響いてくる。 演奏は遅めのテンポだが、71年盤のような重く暗いところはない。 真面目で直線的なレクイエムであると言えるだろう。 形容しがたい美しさと魂の歌声を、これほどの深い共感をもって聴かせることに成功したベームの音楽性には敬服のほかない。 絶筆となった「ラクリモサ」が終わってジェスマイヤーが補筆した部分も一切手抜きがなく最後まで真摯な演奏が聴かれる。 前に書いたワルターのレクイエムが同じく1956年の録音である。 この時代の演奏スタイルだったのだろうか? モーツァルトのレクイエムに何を求めるか・・・人によって違うであろうが50年前はこんな演奏が普通だった。 老齢期のベームは神格化されやや鼻についたが、全盛期のベームは凄い。 これを聴くとベームの絶頂期はまさにこの時期にあったと思えてくる。

 画像モーツアルト:レクイエム K626
 テレサ・シュティヒ=ランダル(ソプラノ)
 イーラ・マラニウク(アルト)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 クルト・ベーメ(バス)
 ウィーン国立歌劇場合唱団
 ウィーン交響楽団
 指揮:カール・ベーム
 録音:1956年11月 ウィーン(モノラル録音) ステレオプレゼンス
 原盤の認識番号(マトリクスナンバー) フィリップス PYC-2297 (SFL-7898)
 
by ex_comocomo | 2012-03-02 16:19 | クラシックの楽しみ | Comments(0)
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