人気ブログランキング |

アナログLPのリッピング(デジタル化)


アナログLPのリッピング(デジタル化)方法

 アナログのレコード(LPと略する)の方がCDよりも音質が優れているのは既知の事実である。 良い状態で録音されたレコードを、それなりの装置でで再生させればCDよりもダイナミックレンジが広く再生周波数も広いのだ。 
 CDのダイナミックレンジは96dBである。 これは、CDの規格である量子化ビット数が16ビットであるということから決まってくる。 CDが規格化されたのは1982年と随分昔で、色々な理由から決まってしまった規格である。 96dBはそれなりに大きいダイナミックレンジであるが、人間の耳はそれを遥かに越える音を聞き分けることが可能である。 一説では人間の耳が認識できるダイナミックレンジは120dBといわれている。 もっとも老人には無理であるが・・・ (ちなみにDVDの場合、最大で24ビットであり、ダイナミックレンジは理論的に144dBにまで広がる。 これはCDよりも遥かに広いし、LPでも実現できないダイナミックレンジを持っている。)
 このように再生能力に優れたLPであるが LPはどうしても再生する度に劣化してくる。 長期保存も難しいし、カートリッジなども劣化してくる。 市販されている機器も少なくなってくる。 したがってLPをリッピングしてデジタル化しておくのも其れなりに理由はある。  ということで、古いLPを手入れした上で、24ビットでリッピングしてLP本来の音を取り戻すとともに、劣化を食い止めようと思うのである。

 リッピングに使用する私の使用器材以下の通りである。 まあ、人様に自慢できるものではないが・・

 DENON DP-1300M (LP PLAYER)
 AT-15Ea、GRACE F8 '10、SHURE V15 TypeⅢ 他 (カートリッジ)
 AUREX SY-C15 (Pre AMP)
 ONKYO SE-U55SX (DAC)

 画像使用している プリアンプ AUREX SY-C15 はイコライザーとトーン(フラット)アンプの2ブロック構造で、どちらもNF(負帰還)のコンデンサーを排除したDCアンプ構成となっている。 回路構成は差動2段・全段直結OCLとなっており、出力段はSEPPで、出力インピーダンスを低くしてある。 RIAA素子には フィルムコンデンサやスチロールコンデンサ、カーボン抵抗を選別して用いてあり、偏差±0.2dBになっているからまあまあだ。

 波形編集ソフト
 画像LPの再生準備ができたら波形編集ソフトを使ってLPの音を録音していく。  私の使っているソフトは Sound it!6.0 Premium である。 (他にも色々とあるし、フリーのものもあるようだ。)
 さて、24Bit/96kHzでリッピングすることになるのだが、最大のポイントはLPプレイヤーからの最大音量がリッピングソフトの許容値をオーバーしない範囲で、できる限り大きい音にすることが肝心である。 LPに刻まれた音質を最大限に生かすためにはこの調整が重要だ。 (小さすぎると情報が失われる。 大きすぎるとリミッターに掛りやはり情報が失われる。)

 録音した音にLP特有のノイズが含まれるときにはこれを取り除くことが望ましい。 Sound it!6.0 にはアナログサウンドのデジタル化に欠かせない Sonnox 社製ノイズリダクションエフェクト 3種類が搭載されているのでこれを使うことにする。
 画像ノイズには幾つか種類があるが
 De-Buzzer は「ブーン」という電源を起因とするハムノイズを除去する。
 De-Clicker は「バチッ、プチプチ」といったアナログディスクのノイズやマイクに強い短い息がかかって発生する「ボコッ」というノイズ、電源の ON/OFFやスイッチの切換等によって生ずる「プツッ、ブチッ」という短いパルス波のノイズなどを除去する。
 De-Noiserは 「サー、シャー」といったテープヒスノイズ、ホワイトノイズ等を除去するものだ。

 ノイズ除去の前に簡単な編集作業をする。 まずは曲が始まるまでのプチプチというノイズの部分を取り除く。 また曲間の空白などをキレイに取り除くことも必要になる。 
 録音した音を再生しながら、波形を拡大させたり、時間軸を調整したりして注意深く処理する必要がある。
 曲の最後の部分でフェードアウト処理したりすることも場合によっては必要になる。 無音だと思っても、ある程度のレベルがあるので必要に応じて行う。 場合によってはノーマライズ処理などをかけて、MAXの音量を整える必要もある。

 最後にノイズリダクション処理を行う。 ただしリッピングする時にノイズが入らないように気を付けることだ。
 ハムノイズは電源系の信号が入り込んで起こることが多いので、電源ケーブルとオーディオケーブルを混信しないように離して設置しなおすとともに、接続やプラグが汚れ等を確認することだ。
 ただしノイズリダクションによってノイズを完全に取り除けるものではないし、掛け過ぎると原音の情報は失われる。 必要最小限にするべきである。

 以下の藤本健のDigital Audio Laboratory中でシリーズ化されたノイズリダクションの性能を評価する連載全5回は参考にするとよい。
 Digital Audio Laboratory デジタル時代のNoise Reduction 

 LPレコードをパソコンに録音する 

 LPデジタル化計画 

 追加:「ダイナミックレンジ」
  一般的なリニアPCMの場合は次の計算式で算出できる。単位は、dB(デシベル)。
dB=20xlog(最大音/最小音)
リニアPCMの場合は、ビット数に「2倍の音圧比」に相当する6dB(正確には6.020)をかければダイナミックレンジを算出できる。
 CDは16bit記録メディアなので、そのダイナミックレンジは、16(bit)×6(dB)=96dB
 DVDは24bit記録メディアなので、そのダイナミックレンジは、24(bit)×6(dB)=144dB
 となり、その差は48dBである。 人間は 音圧が10dB違えば、音量を2倍に感じる。 したがって48dBのダイナミックレンジの差は大きい。
 ところが、クラシックの曲は実演で聴いても分かるように音楽自体のダイナミックレンジがすごく広い。 
 一説では、ロンドン・ステレオラボラトリのLP“ストラビンスキー・春の祭典”では約140dBくらいあるらしい、当然96dBのCDには収めえる事はできない。
 そこでレコーディングエンジニアは現実的な対策としてコンプレッションやリミッターを使って音の大きい部分を圧縮するとかフェーダーを使ったりして操作している。 いわゆるマスタリング作業を行うのである。


 サウンドの基礎と音楽配信 

追記:
 理論ダイナミックレンジの追記
 「デジタル・オーディオの基本と応用 : 河合 一 」によると、ダイナミックレンジの式は厳密には以下のようになる。
 DR = 6.02×M + 1.78 (dB)  ここに、M は量子化ビット数。
 したがって、16ビットのCDは 98dB である。

 
by ex_comocomo | 2012-03-02 15:14 | オーディオ関連 | Comments(0)
<< LPレコードのデジタル化(11... DigiFi [デジファイ]N... >>