LPレコードのデジタル化(5): Hampton Howes / THE SEANCE

ザ・セイアーンス/ハンプトン・ホーズ・トリオ

 空高く、すじ雲やいわし雲が出ている。 空が高い感じがする。 これが秋空だ。 庭の木々にも赤い実がついている。 クロガネモチノキやピラカンサス等など! 秋の風景だ。
 今日は以前、東京の自遊時間で買っていた中古のLPを引っ張り出した。 まだ聴いていなかったLPだ。
 (神保町にあった三省堂書店の別館「自遊時間」は閉店したそうだ。 「建物の老朽化」という「致し方ない理由」だそうだ。)
 タイトルはハンプトン・ホーズ・トリオの 『ザ・セイアーンス』。 ハンプトン・ホーズ・トリオが66年にロスアンジェルス・ミチェルズ・スタジオ・クラブに9か月間出演した際のライブ演奏を収録したアルバムである。 ハンプトン・ホーズ50年代のトリオシリーズは特に日本での支持が高く多くのヒットアルバムを生み出しているが、この録音はその当時より最高のパートナーとしてコンビを組んでいたベースのレッド・ミッチェルがイキのいい演奏で応えている。 全体に軽快に躍動的に伸び伸びとしたインプロヴィゼーションはベテランの貫禄見せてくれる。  前に前に出てくる3人のプレイが熱いが、ハンプトン・ホーズの手数の多い技巧的なピアノが、このライヴでは独自のグルーヴを生み出していると言えるだろう。 

 画像この 『ザ・セイアーンス』 というアルバムは、今ひとつ地味なジャケットと相まって、あまり注目されていないかもしれない。 しかしブルースを基調にしながら、柔軟なコード付けでタッチも軽やかな3人のインタープレイはそれなりに楽しめる。

 曲目は Side1 1. The Seance 2. Oleo 3. Easy Street。  Side2  1. Suddnly I Thought Of You 2. For Heaven's Sake 3. My Romance。
 演奏 ハンプトン・ホーズ(p) レッド・ミッチェル(b) ドナルド・ベイリー(ds)
 1966年4月30日・5月1日録音 CONTEMPORARY盤である。

 さて、この 『ザ・セイアーンス』 というタイトルは馴染みのない言葉であるが、 “SEANCE” というのは“やりとり”とか “交換” といった意味だと解説にあった。 聴衆とのスピリチュアルな交換をホーズが感じてつけたらしい。
 そして1曲目がこのタイトル曲 「The Seance」でホーズのオリジナル曲だ。
 拍手の音に続いてホーズのピアノが登場する。 無伴奏ソロによるイントロは、タイトルを感じさせなくもない。 そこにレッド・ミッチェルのピチカートが絡んでくる。 ドナルド・ベイリーのドラムスでイン・テンポになりスピリチュアルなスロー・ブルースになってくる。 ホーズのピアノはビル・エバンスの影響も受けたのか、洗練された演奏であると思う。  レッド・ミッチェルのベースの音が意外に目立つ。 中間部のソロ・パートではピチカートが披露される。
 そして、このベース・ソロの後、ホーズのピアノが爆発するように再登場する。変化に富んだ演奏の後テーマに戻ってくる。 そして、ほとんど切れ目のない形で2曲目の 「Oleo」へと流れていく。 いかにもライブらしい演出だ。 この曲はロリンズの有名な曲。 これがまた面白い。 テーマ演奏の後ホーズとレッド・ミッチェルの掛け合いがライブらしい雰囲気を高める。 中間部でレッド・ミッチェルのベースソロがフィーチャーされ再びホーズのピアノが続いた後ベイリーの派手派手なドラム・ソロになるといった自在さがいい。
 3曲目はバラードで 「Easy Street」 。 バラードはいいなぁ~~~。 ブルース感覚もよく表れていて、いい仕上がりだ。 スティックとブラシを絶妙に使い分けるドナルド・ベイリーのドラミングも雰囲気がある。

 B面の1曲目は。 「Suddnly I Thought Of You」 で、これもホーズのオリジナル曲だが、この曲はいい。 
 そして次の 「For Heaven's Sake」 だが、バラードでこれもいい。
 最後の「My Romance」 はミディアム・テンポの演奏だが、メロディが美しい。 なかなか良い演奏だ。

 総じてホーズのピアノはシンプルだ。 この人のジャズは明快である。 非常に分かりやすいと言えるだろう。 本来ジャズとは楽しむべきものだからこれでいいのだ。 
 だが、日本人のジャズ批評家はジャズに対して難解なものをよしとしてきた。 ホーズは小難しい理屈を好む日本人評論家に人気がなくあまりレコードが売れなかったのかもしれない。
 
 画像私のLPは盤面を見たら 見本盤であった。 中古で入手したものなので来歴は分からないが、盤面は綺麗である。 もちろん、プレーヤのスピンドルの跡などはついていない。 丁寧に扱われたものと思う。 ノイズは全くなしである。 24ビット 96kHzで デジタル化しても何の問題もない。 Play Pcm Win で再生してみた。 約45分のWAVファイルの読み込みも早い。 SD-1955でも私の書斎なら問題なくなってくれる。 いいね~~~
by ex_comocomo | 2011-11-15 14:43 | JAZZの楽しみ | Comments(0)
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