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モーツアルト レクィエム その7 (バーンスタイン&バイエルン放送交響楽団)

バーンスタイン指揮バイエルン放送交響楽団


 別れた後に死去した妻フェリシアの没後10年のメモリアルとして行われたコンサートのライヴ盤である。 バーンスタインは、別れた妻を亡くした1978年を「生涯最悪の年」と語っている。 それから10年後、彼の初録音となったモツレクがこの録音だから因縁を感じる。

 誰しもが死に対峙した時に、無意識のうちにその死を美化しようとする傾向があるが、多くのレクイエム演奏も同じだ。 バーンスタイン自身が生と死を対比させ、死者を悼んだ名演だと思う。 
 ふだん聴きなれた他の指揮者のレクイエムとは明らかにテンポが違う。 重々しくゆっくりしたテンポで始まるこのレクイエムは死を暗示する。 そして、じっと耳を傾けていると泣けてくる。 レクイエムは泣ける演奏が多いが、バーンスタインの感情移入の徹底した、そしてテンポの揺らぎの激しいこの演奏もまた、ある意味名演だ。 

 フルトヴェングラーはモーツアルトのレクイエムの録音を残さなかったが、ワルターやバーンスタインと違った演奏になったであろう。 これもまた是非聴きたかった。 

 画像モーツァルト/レクィエム ニ短調 K.626 (バイヤー版)
 マリー・マクローリン、マリア・ユーイング
 ジェリー・ハドレー、コルネリウス・ハウプトマン
 合唱:バイエルン放送合唱団(合唱指揮/ヴォルフガング・ゼーリガー)
 管弦楽:バイエルン放送交響楽団
 指揮:レナード・バーンスタイン
 録音:1988年7月(ライヴ)、アンマーゼー、ディーセン修道院附属教会


# by ex_comocomo | 2012-05-14 20:30 | クラシックの楽しみ | Trackback | Comments(0)
LPレコードのデジタル化(18): ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番

 前出と同じくコンドラシン指揮のショスタコビッチ交響曲第5番は、モスクワ・フィルとの 1968年録音である。
 このコンドラシンの指揮は派手さはないが、聴かせる演奏ではある。 録音も良くオーディオ的にも楽しめる部類に入るかもしれない。 まあまあ楽しめる。

 画像私が初めてショスタコーヴィチの交響曲第5番を聴いたのはバーンスタイン指揮のもので、1959年録音であったと思う。 ボストンのシンフォニー・ホールで録音されている。 録音直前のソ連ツアーで作曲者からも賞賛された若き日のバーンスタインの、情熱的で爽快な演奏だ。 確かに、若い感性を奮い立たさずにはおかぬ魅力があるし古典的な構成感も充実しておりショスタコビッチの名前を世に広めたともいえる。
 あの頃はショスタコビッチは20世紀のモーツアルトと囃されたものだ。 だが、日本の音楽評論家たちは厳しい。 厳しく云う事が威厳を高める効果もあるからだが・・・

 例えば、あの大評論家、吉田秀和は「やや大芝居がかった悲愴味に少々抵抗を感じた」と否定的である。 日本での吉田秀和氏の位置は高い。 この評価で日本での5番の価値は下がったと思う。

 だが、素人の私の耳にはバーンスタインの指揮は新鮮に聴こえた。 芝居がかった悲愴味もそれ程感じなったし、安っぽいとも、派手だとも思わなかった。 
 冒頭にはワーグナーの「指輪」の「運命の動機」が出てきて、「ジークフリートの葬送行進曲」と似た展開を経て、「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲の冒頭の動機が弦に出てくるというあたりは、面白さは絶大である。 特に第3楽章は素晴らしいと思う。 うねるような旋律が美しくて哀しい叙情をのせて奏でられるのである。
 引用は暗示的でそこから受け取るメッセージは多種多様であるが、それはショスタコーヴィチの音楽そのものの有り様である。
 一方、このコンドラシン指揮キリル・モスクワフィルの演奏は響きがいい。 どちらをよしとするのかは聴き手による。


 画像そして、あのヤンソンスも全集を出している。 その中のの1997年録音の第5番は、ウィーンフィルを起用した演奏である。 ヤンソンスはバランスが良く、全楽章とも行き届いた演奏であると思う。 












 ショスタコーヴィチ:交響曲5番
 モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団
 キリルコンドラシン(指揮)
 録音 1968年3月27日
 [日本盤LP] ビクター SMK-7864
 LPの認識番号(マトリクスナンバー) C-0909 [Shinsekai]
 購入時期 1980年頃??

# by ex_comocomo | 2012-05-14 20:06 | クラシックの楽しみ | Trackback | Comments(0)
ノートPC液晶表示不良修理

工人舎 EW1H56Fの修理

 主に居間でネット用に使用しているノートPC ( 工人舎 EW1H56F ) の液晶がチラつきだした。
 使用中にひどくチラチラするので落ち着かない。 全体機能は問題ないので単なる表示不良と思われる。
 さっそく点検することにした。 

 仕様を紹介しておくと・・・・ 

 CPU:AMD Mobile Sempron 3200+ (1.6GHz/Socket S1)
 メモリ:1.0GB(DDR2-SODIMM/2スロット/最大4GB)
 HDD :60GB (2.5インチ/SATA)
 光学ドライブ:DVDスーパーマルチドライブ(ATAPI)
 液晶表示:15.4インチワイド光沢(WXGA/1280x800)

 このノートPCはオークションで安く手に入れたもので液晶表示が明るいのが使いやすいので、チョット使いには便利である。 

 画像さて問題の液晶だが、まずは上半身のベゼルを外さなければいけない。 外すのは液晶カバーのネジ隠しを探すことから始める。 このように、枠にあるゴムを外すと、そこにネジがある。 このネジを外して慎重に枠のベゼルを外す。 これには無理をすると割れるの充分注意して外すことである。



 画像問題は下部の取り外し。 ここを取り外すのが一番注意を要するところ。






 
 画像この部分に液晶制御ユニット[インバータ]がある。 
 メーカー: TDK
 型番 : TBD281NR-2 ( LCD Inverter )を使った E168066 である。
 この制御ユニットの接触不良が液晶のチラつきの原因である可能性が高い。 
 コネクターを慎重に取り外し各部分の清掃と配線のチェックをして元に戻す。

 画像電源を投入してみると~~~~直りました。 一面、むら無く表示されています。
 というわけで、修理完了です。 
 制御ユニットの故障ではなかったようなので案外簡単でした。
 これでまた暫らく快適に使うことができます。 



参考 :
 TDK 型番 : TBD281NR-2 ( LCD Inverter )
 画像








 E168066
 画像
# by ex_comocomo | 2012-04-24 19:12 | パソコン関連 | Trackback | Comments(0)
超小型Linuxマシン
超小型プログラマブルPC Raspberry Pi 欲しい!!

 これはLinuxベースで動作する超低コストの名刺サイズのパソコンと云われる物だ。
 Broadcom社製ARM Coreベースのプロセッサ/GPUを搭載し、HDMIやUSB2.0などの基本的なI/Fが装備されているためHDディスプレイやマウス、キーボードなどの汎用周辺機器も接続でき、表計算、ワープロ、ゲームなど、一般的なPCで行えるほとんどの作業がこの大きさと価格で実現可能だという。
 日本でも早く販売されないかなぁ~~
 世界中で25万台もの予約があるというから暫くは無理かもしれないが・・

 主要な仕様は以下の通り。
Broadcom BCM2835 700MHz ARM1176JZFS processor with FPU and Videocore 4 GPU
GPU provides Open GL ES 2.0, hardware-accelerated OpenVG, and 1080p30 H.264 high-profile decode
GPU is capable of 1Gpixel/s, 1.5Gtexel/s or 24GFLOPs with texture filtering and DMA infrastructure
256MB RAM
Boots from SD card, running the Fedora version of Linux
10/100 BaseT Ethernet socket
HDMI socket
USB 2.0 socket
RCA video socket
SD card socket
Powered from microUSB socket
3.5mm audio out jack
Header footprint for camera connection
Size: 85.6 x 53.98 x 17mm

 また、Solid Run 社は Cubox と云うのを販売しているようだ。 これは小さなケースに収まったミニPCみたいなものだ。 ソフトは ubuntu だというから(フリーOS)これはありがたい。




 主要な仕様は以下の通り。
  Marvell Armada 510 based 800MHz ARM processor
  ARMv7 Instruction set, including VFP3 floating point unit andwmmx SIMD unit.
  1GByte DDR-3
  HDMI 1080p output backed by hardware video decoding enginecapable of up-to
 1080p decoding of all major multimedia codecs.
 OpenGL|ES 2.0 GPU
 Peripherals:
 10/100/1000 Mbps Ethernet
 2 x USB 2.0 (host)
 eSata 2, 3Gbps
  Infra-red receiver
Optical audio SPDIF transmitter
microSD for operating system
microUSB (device) for debug and recovery
The platform is provided with completely open source SDK:
Android 2.2
Linux kernel 2.6
Demo software for demonstrating capability of the platform:
XBMC
Ubuntu and Debian

 以前、SheevaPlug と云うのがあったが、最近聞かなくなったなぁ~~
 手に入りにくいからであろうか・・・
 でも、こんなに魅力的なミニPCが販売されたら Linuxファンには堪らないなぁ~~
 日本で手に入れる方法は無いのかしら??



# by ex_comocomo | 2012-04-23 13:05 | パソコン関連 | Trackback | Comments(0)
LPレコードのデジタル化(17): ショスタコーヴィチ 交響曲第15番

ショスタコーヴィチの交響曲15番

 今日のLPはショスタコーヴィチの交響曲15番。
 ショスタコーヴィチの交響曲で、最も演奏回数が多く、また聴かれることが多いのは5番だろう。 私もバーンスタインの指揮するレコードで初めて聴いたときは新鮮な感動を得た。 当時、ショスタコヴィッチは20世紀のモーツアルトと言われたものだ。 だが、5番を聞いて、ショスタコーヴィチのファンとなり、他の交響曲を聴いてみると、予想を裏切られることも多いのも事実だ。 それは他の曲があまりにも違うからである。 5番のように、いわゆる古典的な交響曲の形式を踏んでいのでである。

 画像この交響曲15番は、ショスタコーヴィチ最後の交響曲で、2ヶ月間で作曲されたという。 2管編成だが、13種類の打楽器を必要とする面白い構成だ。 この曲は実に不思議で、いろんなクラシック曲から引用されている。 例えば第1楽章でのロッシーニの『ウィリアム・テル』序曲のテーマ。第4楽章でのワーグナーの楽劇『ワルキューレ』の「運命動機」や楽劇『トリスタンとイゾルデ』冒頭の音形などがある。 第1楽章についてショスタコーヴィチ自身が「おもちゃ屋さんの世界」と語っているほどだ。  第4楽章の最後の弦楽器の和音は格別に美しいと人気もある。 だが、この曲の白眉は第2楽章かもしれない。 荒涼とした寒々しいシベリアの大地を沈鬱に進む葬送の行進。 それが突如として痛切きわまりない大咆哮となり、シロフォンを伴っていて切り裂くようなクライマックスとなる。
 最後は、チェレスタに誘導されて自分自身の第4交響曲やチェロ協奏曲などの終結部分と同じように各種打楽器が無情なな雰囲気を醸し出しながら静かに終わる。不思議な魅力ある交響曲である。

 コンドラシン指揮のの15番は、このモスクワ・フィルとの1974年の録音とドレスデン・シュターツカペレとの録音があり、モスクワフィルのものはイマイチの出来で、ドレスデン・シュターツカペレの評判が高いようである。

 画像ショスタコーヴィチ:交響曲15番
 モスクワ・フィルハーモにー管弦楽団
 キリルコンドラシン(指揮)
 録音 1974年5月27日
 [日本盤LP] ビクター SMK-7857
 LPの認識番号(マトリクスナンバー) CIO-05453 [Shinsekai]
 購入時期 1980年頃??
# by ex_comocomo | 2012-04-20 16:18 | クラシックの楽しみ | Trackback | Comments(0)
グレン・グールド/バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年)の再創造

グレン・グールド/バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1955年)の再創造
            Zenph Re-Performance [Hybrid SACD]

 GLENN GOULD と言えば バッハ:ゴールドベルク変奏曲 と言われるくらいに有名な演奏である。
 しかしながら残念な事に彼の1955年の演奏はモノーラルである。 ステレオで聴けたらと思う人は多いはずだ。
 このCDは、録音されたピアノ演奏から、音程、音量、アーティキュレーション、ペダルの使い方といった演奏上の特徴を符号化するソフトウェア Zenph を使い、55年録音を現代の技術でよみがえらせ、実際にピアノで演奏させ、それをDSD録音したものだ。 使用ピアノは YAMAHA の Disklavier Pro 。 このピアノは、高精度MIDIファイルを家庭用 Disklavier の10倍の精度で再生可能というピアノだ。 録音場所は、グールドが放送用にゴルトベルクを演奏したトロントのCBCスタジオグレン・グールド・スタジオである。
 ディスクはハイブリッドディスクで CD、SACD それぞれにステレオ、バイノーラル・ステレオバージョンが、またSACDの5.1chサラウンドバージョンが収録されている。 

 さて、このCDを聴いてみると、やはり最新テクノロジーの賜物だということを感じることができる。 あれこれ言わなければ、素晴らしい音質と自然なタッチで奏でられるゴルトベルクに驚く。 しかもステレオだ。 オリジナル盤の音質とは全く違うといってよい。 改めてグールドのゴルトベルクを見直した。
 しかしながら、オリジナルとは違うこともまた事実である。 実際グールド自身がこのような演奏を認めるかということもあるだろうし・・・きちんと人工的に再演されている分、細かいテイストの違いもあるだろう。

 評価は色々であろう。 音楽性を大事にする人にとっては1955年盤を越えていないというだろう。 それでも、一聴の価値はありそうだ。 本職でない私には、このCDでも構わない。

 なお、詳細な評論は宮澤淳一氏の以下の記事に詳しい。
 新しいピアノ演奏再生技術をどう位置づけるか (リレー連載「音楽論壇」第7回) 『レコード芸術』第56巻第7号(2007年7月):82-85頁
# by ex_comocomo | 2012-04-19 14:55 | クラシックの楽しみ | Trackback | Comments(0)
Mac風の新Linux OS「Comice OS」を使ってみた

Mac風の新Linux OS「Comice OS」

 Mac OS風の新Linuxディストリビューション「Comice OS」が2012年2月10日に公開されている。 バージョンは「4.0-b」。 公式サイトのリンク先から64ビット版を無料で入手できる。
 この Comice OS は、「Ubuntu」を基にして開発された「Pear OS」の後継に当たるそうだ。 旧版のPear OSは使ったことがないので私には比較はできないが、Mac OS風のデスクトップ画面や機能を有しているようである。(ちなみに私はMacは持っていない。)
 さて、このComice OS 4.0-bでは最新のUbuntu 11.10が収録するソフトウエアよりも新しいものを採用されているというから期待が持てる。 
 特徴的なソフトは、「Pear Appstore」とデスクトップ環境「GNOME」のユーザーインタフェース「GNOME Shell」を修正した「Comice Shell」の2つらしい。 このPear Appstoreは、1クリックでソフトウエアの導入、削除、アップデートが可能だから使いやすいと言える。

 Comice OS 4.0-bが要求するハードウエア環境は、CPUはインテルx86系およびその互換CPUであること。 メインメモリーは1Gバイト(推奨2Gバイト)だから古いパソコンには無理だ。 ハードディスクは8Gバイト以上で、Linux上で3Dハードウエアアクセラレーションが使えるビデオカードが必要となっている。
 ( ちなみに私がLinux 用に 使っているPCは 自作のPCで、マザーボードは FOXCONN G45M で、 CPUは Pentium Dual Core E5200 。メモリー容量は 4GBである。 )
 Comice OS 4.0-bのインストール方法などは以下のサイトが参考になる。
 Linux Computing : http://linuxcom.info/install-comice-os.html
 日本語化もそれ程、難しくはない。

 画像そのままの画面では所謂タスクバーがMacのように下方に現れる。 このまま使うとウェブ画面等を開いた場合、下の方の画面がタスクバー分の幅が切れてしまい実用的な画面が小さくなってしまう。 ワイド画面のモニターだと縦幅が狭くなると使い辛い。(私はモニターを地デジTVと兼用している。) この為にタスクバーを横に持ってきた。 こうすれば画面は広く使える。
 






 使い勝手は案外に良い。 ウェブブラウジングも軽快だ。 但し、音楽再生ソフトはデフォルトが Clementine になっている。 これは、Banshee か RhythmBox の方が使いやすいかもしれない。
 何れにしても、そこそこ使いやすい。 マルチタスクも問題ないようだ。(LinuxMintは少し問題があるように感じた。) 普通に使う分には Linux で十分だ。 もっと使われていいと思う。

 
 
# by ex_comocomo | 2012-04-18 11:01 | パソコン関連 | Trackback | Comments(0)
7人の伝説の JAZZ Musician の話 「バット・ビューティフル」

ジェフ・ダイヤー 「バット・ビューティフル」  村上春樹訳

 この本の「BOOK」データベースには以下のように書いてある。
 レスターは上官の罵声を浴び、モンクは警棒を振り下ろされ、ミンガスは破壊することをやめない。 酒、ドラッグ、哀しみの歴史に傷つき、自ら迷路をさまようミュージシャンたち。 しかし彼らの人生には、それでも美しいジャズの響きがあった―伝説的プレイヤーの姿を、想像力と自由な文体で即興変奏する、ジャズを描いた8つの物語。サマセット・モーム賞受賞作。
 JAZZ好きにとっては読まざるを得ないだろう。 そんな刺激的な紹介文である。

画像 手にとって読んでみると不思議な本だ。 まるでインタビュー記事か現実にその場面にいて見聞きしたものを書いたような内容である。 伝記のようでもあるし・・・
 あとがきを読んで解った。 なるほどこういう手法があるのかと!!
 更には村上春樹の翻訳の上手さがある。 相当な英語の使い手だ。 こんな翻訳が出来るなんて羨ましい。

 内容は、伝説的ジャズメンの姿を、想像力と自由な文体で描いた7つの物語である。 ジャズファンなら誰でも知っている人の物語だ。 だがその内容たるや言い尽くされた伝説以上の内容である。 素晴らしい筆力である。

 軍の上官に迫害されながらも、そよ風のような軽く優しいテナーの音を奏でたレスター・ヤング。
 自分がやりたいと思うことを気ままにやりながら、ジャズを高度な水準にまで高めたセロニアス・モンク。 やはりモンクは天才だ。
 精神病院にぶち込まれ、破滅への道を歩んでいくバド・パウエル。 お馴染みのはなしではあるが・・
 時間にルーズな男が、寂しさを身に纏いつつヨーロッパを列車で移動している。 パリ行きの列車の中である乗客が、ベン・ウェブスターに演奏を頼むと、ベンがゆっくりと演奏を始める場面がある。
「誰一人として、たとえモーツァルトやベートーヴェンを呼んで、自分のサロンで演奏をさせた王侯たちであろうと、これほど特権的で親密な音楽的体験をしたものはほかにあるまい。 なにしろベン・ウェブスターがあなた一人のために演奏しているのだ。」 信じられない風景だろう。 

 常に怒りを内包し(この怒りは白人に対するものからミュージシャンに対するものまで様々だが・・)、背後からベースでバンドメンバーを前に駆り出し続けたチャールズ・ミンガス。 だがミンガスもまた天才だ。
 変人ミンガスが晩年に、ホワイト・ハウスで開催されたパーティーに招かれる場面は印象的だ。
 「彼は車椅子に座っていた。両手も両脚も動かすことができず、自らの内に閉じ込められていた。 現存する最高のジャズ作曲者として紹介を受け、人々が一斉に立ち上がり、ミンガスに熱烈な拍手を送ったとき、彼は感きわまった。・・・大統領が飛んでいって、彼をねぎらった。」アメリカという国はこんな国なのである。 

 波の上に持ち上がった赤い凧のようにブルースを奏でた白人ジャズ・ミュージシャン、アート・ペパー。
 アルコール中毒になってしまったアート・ペパーが刑務所の塀の中で、海辺で理想の女性と出会う場面がある。 2人がカフェで談笑していると、そこにアートの演奏する音が流れてくる。あなたが吹いているの?と尋ねる彼女に対し、アートは笑いながら答える。 「おれ以外のいったい誰が、このようにブルースを吹けるだろう?」  アートは彼女にブルースとは何かを説明する。 それは監房における次のようなフィーリングだ。
  「誰か自分を待っていてくれる女がいればいいのにと彼は思う。何もかもをでたらめにしたまま、自分の人生が過ぎ去っていくことについて考えながら。すべてを変えてしまえたらと彼は願う。でもそれが叶わぬ話であることもわかっている……そいつがブルースなのさ。」
 それに対して彼女はこう答える。 「こんなに傷つき、痛めつけられて、それでも…それでも…美しいわ(But beautiful)」 やがて、彼はアルトを手にして演奏を始める。 「彼の出した最初の音はあまりにもソフトだったので、それは彼の背後の打ち寄せる波の上にふっと持ち上がった。その肩越しに見える赤い凧と同じように。 彼は目を閉じたまま演奏した。暖かな空に凧が浮かんでいく様を、彼女はじっと眺めていた。」 塀の中のアートはこんな夢を見るのである。
 この辺の文章は(翻訳)見事だ。 詩的でさえある。 流れるような素晴らしい文章である。 一読を薦めたい。
 そしてあの愛すべきチェット・ベイカーは、愛撫するように楽器を奏でた。

 7人の伝説の JAZZ Musician の話は、悲しくもまた感慨深い。 薬や酒に溺れて早く命を落とすことが多かったジャズ・ミュージシャンたちは、どうしてかくも刹那的な生き方をしたのだろう。
 社会から受け入れられないことに対する反発心からか?それとも自分の音楽に対する自尊心か。 これらのジャズ・ミュージシャンたちの破滅的な生き方の魅力と美しさを、ダイヤーはフィクションを交えながら書き綴った。
 ダイヤーはジャズの大ファンなのであろう。 彼はジャズについて、 「身をもって演じた批評」という言い方をしている。 演奏家自体が音楽を解釈し、演奏することで、それ自体がひとつの批評となっており、あらゆる芸術形態の中でそれをもっとも実践しているのがジャズというわけである。  「ジャズというものは、その伝統が革新と即興に根ざしているが故に、大胆に因習打破を行っているときが最も伝統的になる」 と・・・。

 翻訳した村上春樹氏はあとがきの中で、 「虚実の境目のぎざぎざ感がなんともいえずリアルなのだ。」と述べているが、まさにそんな稀有なジャズ評論である。
 また一人素晴らしい作家が現れた。


# by ex_comocomo | 2012-04-16 09:42 | JAZZの楽しみ | Trackback | Comments(0)
聴いたら危険!ジャズ入門

聴いたら危険!ジャズ入門
         田中啓文 著

 本のタイトルは危険だ。 思わず手にとってみたくなる。
 カバーの裏には次のようにある。

 画像

この本は、いわゆる名盤事典ではありません。作家であり、ジャズエッセイストでもある田中啓文セレクトによる今のジャズを支えているミュージシャンの横顔を紹介し、とっつきにくいと思われているジャズ(とくにフリージャズ)に関する敷居を思いっきり下げるための入門書です。ジャズに棲む、危険で素敵なやつらに触れたなら、きっとアナタもハマります!




 著者は1962年生まれの作家。私より20歳近くも若い人が書いている。 相当にジャズが好きなんだろうなぁ~~~
 内容は Part1 が海外の歴史的巨匠、 Part2 が現代のジャズシーンを支えるプレーヤー、 Part3 が日本のアーテストの3部構成である。 

 巨匠といわれる人が15人、現代のプレーヤが18人、日本のジャズメンが29人。 いわゆるフリージャズ系のジャズ・ミュージシャンの紹介になっているようだ。 すべての人がフリーというわけではないが、著者の好みが現れているように思う。
 さて、巨匠の部は ローランド・カークやファラオ・サンダース、エリック・ドルフィーやオーネット・コールマン。 知っている人たちだ。 だが、私の好きな方のジャズメンではない。 特にオーネット・コールマンなんかはは ”何でこんなジャズなの?”であったから・・・もっとも、著者もオーネットは「わからん」といっている。
 私はジャズでもメロディー派なのであった。聴くのは精々エリックの ラスト・デイトくらいかなぁ~~~

 ところで、現代のジャズメンのパートを読んでみると知らないひとばかりだ。 知らない人の評論は評価のしようがないから鵜呑みにするしかない。 でも、この人たちのアルバムは要注意なのである。

 たとえば著者は エヴァン・パーカーを 「とにかく聴いてほしい。きいて「びーーーっくり」してほしい。エヴァン・パーカーのソプラノ・ソロの衝撃は、口で百万遍ぐだぐだ説明してもわからん。管楽器ソロ即興に金字塔を打ち立てたこの音群は今でも特出した輝きを放っている。聴いて、お願い聴いて!」 とあるから聴いてみたくもなるが・・・
 私もジャズが好きだけど、ここまではのめり込んでいない。

 ただ、この本は何とも言えない猥雑さが魅力である。 フリージャズというフォーマットの魅力を好きな人の立場から強烈に伝えている。 音楽にも色々とある。

 参考に目次を示しておく

目次

 はじめに

 PART1
 海外の歴史的巨匠

 サックスの破壊獣 ペーター・ブロッツマン
 ほらふき公爵の大ワルノリ デューク・エリントン
 グロテスクジャズの魔人 ローランド・カーク
 アリゾナの砂嵐 ファラオ・サンダース
 異世界の美の探究者 エリック・ドルフィー
 気絶するほどかっこいい アート・アンサンブル・オブ・シカゴ
 異星の人 サン・ラー
 永遠に謎を吹く男 オーネット・コールマン
 吹き鳴らす原始の喜び アルバート・アイラー
 フリージャズのスナフキン ドン・チェリー
 偉大なヘタウマ アーチー・シェップ
 英国音楽を変えたアフリカからの使者 ブラザーフッド・オブ・ブレス
 アグレッシヴ老人 フレッド・アンダーソン
 シンセサイザーかよ! アルバート・マンゲルスドルフ
 フリージャズで笑ってもいいですか? ICPオーケストラ

 PART2
 現代のジャズシーンを支えるプレイヤー

 テナーの音が煮えたぎる デヴィッド・S・ウェア
 想像を絶する下手くそさ ジュゼッピ・ローガン
 世界一楽しいフリージャズ カルロ・アクティス・ダート
 知性ある暴風 エヴァン・パーカー
 月刊ヴァンダーマーク ケン・ヴァンダーマーク
 ゴジラ級の大怪獣 マッツ・グスタフソン
 「世界サックス四重奏団」の屋台骨 ハミエット・ブリューイット
 どうやっとるのかまったくわからん 姜泰煥
 「出したらあかん音」の王者 ジョン・ブッチャー
 血を吐くようなブロウ チャールズ・ゲイル
 いまどきの音やおまへん イーヴォ・ペレルマン
 眩惑する音の魔術師 ヘンリー・スレッギル
 ニューヨーク現在進行形 ヒューマン・フィール
 黒人ジャズ史の凝縮 カヒール・エルザバー
 入ってれば安心! ハミッド・ドレイク
 北欧の暴れ太鼓 ポール・ニルセン・ラヴ
 現代フリージャズの「芯」 ウィリアム・パーカー
 ゲンコツと祈りのベーシスト インゲブリグト・ホーケル・フラーテン
 NYアヴァン新伝承派 ペット・ボトル・ニンゲン

 PART3
 日本のアーティスト

 私の「父親」です 山下洋輔
 天才 富樫雅彦
 このひとになりたかった 坂田明
 静寂を吹く男 阿部薫
 群を抜く存在感 林栄一
 楽器が鳴りすぎて怖い 梅津和時
 キタナイ物も嫌いではない 篠田昌已
 フリージャズじじい 井上敬三
 世界にあふれだす歓喜のノイズ 高柳昌行
 即興を真摯に追求する男 今井和雄
 この枚数では書けません 大友良英
 ひと言で言うと「どえらい先輩」 芳垣安洋
 頭蓋骨と脳がこすれあう音 内橋和久
 神様の楽器を吹いたひと 大原裕
 梁山泊の頭領 不破大輔
 永遠なる「噂の女(ひと)」 藤井郷子
 軟弱ジャズは地獄に落ちろ のなか悟空&人間国宝
 日本ジャズの大恩人 明田川荘之
 笑福亭松鶴のようなテナー 片山広明
 「きーっ」となる疾走感 原田依幸
 繊細なる図太さ 齋藤徹
 黒い大仏を吹く男 吉田隆一
 男と音楽と伝説と 川下直広
 即興桃源郷を目指して 松本健一
 異常性のなかの危険な美 スガダイロー
 度肝抜かれる凄い音 早坂紗知
 フリージャズ+エロス=(秘) 秘宝感
 全身ピアニスト 石田幹雄
 身震いするほどの快感 広瀬淳二

 おわりに

# by ex_comocomo | 2012-04-09 19:36 | JAZZの楽しみ | Trackback | Comments(0)
DSD再生への試み(3) DSD by DSD to PCM Converter

DSDに挑戦・・・3
     DSD to PCM Converter編


 昨日ダウンロードした BlueCoast のDSD音源 While She Sleeps というアルバムを聴いてみる。
 これは、もともとDSD録音されたソロピアノだ。 静かな曲だから、DSDの効果を知るのに最適かどうかはわからない。
 
 画像とりあえず、 AudioGate で聴いてみる。 画面で分かるように 96kHz で再生されているし綺麗な音で鳴ってくれる。 落ち着いた良い曲である。





 ここで、あの Wave Pcm Upconvert Player でお馴染の YUKI-SAN から連絡をもらった。
 曰く・・・
 DSD to PCM Converterというソフトをリリースしておりますので、もしご興味があればお試しください。
 AudioGateとは違った音に仕上がっていると思います。 24bit88.2kHzがおすすめです。

 とある。 さっそく変換ソフトをダウンロードしてDSDをPCMに変換する。
 画像



 

 画像その後 Wave Pcm Upconvert Player で再生してみる。 こちらは、24bit 88.2kHz である。 聴いてみると~~高音部の再生が違うような気がする。 どちらも 良い音には違いないが 微妙に違って聞こえる。 この差は好みかもしれない。
 
 また、 AudioGate の場合は、変換作業はリアルタイムで再生されるので使い勝手は AudioGate の方が便利だと思う人もあるかもしれない。 だが、 Wave Pcm Upconvert Player は、再生に当たって幾つかのパラメータを調整できる。 すなわち自分の好みにチューニングできる要素が残されている。 アップコンバートもその一つである。 

 VAIOの DSD Direct や AudioGate はPCM 音源を DSD に変換することができる。 この機能はある意味面白いが、DSDを PCMに変換するソフトも幾つか出てくるようになった。 DSDネイティブ再生の環境がない人にとっては、これも朗報だ。
 
# by ex_comocomo | 2012-04-07 19:58 | オーディオ関連 | Trackback | Comments(0)
DSDをダウンロードしてみる

BlueCoastでDSD音源の安価セール

 ささきさんのMusic To Go で上記情報が発信中。

 4/9までWhile She Sleepsというアルバムを44kHz/96kHz/DSDそれぞれ$5でセールちゅうである。
 もともとDSD録音されたソロピアノだ。 http://dsd-guide.com/ にアクセスすると利用できる。

 5$だったら円高の今なら買いである。 早速 D.L した。
 DSDをネットで買うのは初めての経験であるが、これも試してみないと始まらない。
 少し時間が掛かるがイライラするほどの時間ではない。
 取りあえず AudioGateで 聴いてみよう。 DSDネイティブ再生は環境がそろっていないのである(-_-メ。



 画像While She Sleeps
 Art Lande · Piano Lullabies
http://bluecoastrecords.downloadsnow.net/discount
# by ex_comocomo | 2012-04-06 20:01 | オーディオ関連 | Trackback | Comments(2)
ワア!!ほしい!! 
USBメモリ型Android端末「Cotton Candy」は3月出荷開始

 「Cotton Candy」はノルウェーのFXI technologiesが開発しているUSBメモリ型のAndroid端末。ノートPCやMac、タブレット、ディスプレイ、テレビ、セットトップボックスなど、USBで接続できるスクリーンがあればそれを「Cotton Candy」のスクリーンとして利用できる。

 http://appllio.com/news/20120228-1705-cotton-candy-mwc に記事が出ている。
 
 ほしいなぁ〜〜

 USB Stick Contains Dual-Core Computer, Turns Any Screen Into an Android Station
 http://blog.laptopmag.com/usb-stick-contains-dual-core-computer-turns-any-screen-into-an-android-station
# by ex_comocomo | 2012-03-28 15:31 | パソコン関連 | Trackback | Comments(0)
DSDネイティブ再生

DSDネイティブ再生

 「AudioGate」がフリー化されてから、PCオーディオ環境でのDSD再生が身近なものになったのは間違いないだろう。 最近はネット配信サイトでもDSD音源の配信タイトルも徐々に数を増やしているようだ。

 もちろん、DSDといっても、これまではPCM変換が主流だった。 その理由はDSDを直接再生するハードが揃っていなかったことによる。 今までのDACではDSDを直接には再生はできない。 しかし2012年になり、PCM変換をせず、DSDネイティブ再生を可能としたハードが登場し始めてきた。(自作でDSDネイティブ再生に挑戦している人も少なからずいるようだ。 すごいと思う。)
 ちなみに、DSDネイティブ再生とは、DSD形式のファイルをPCMに変換することなく、そのまま直接に再生する方法である。 これにより、DSDの持つリアリティのある再生音を感じる事が出来るのである。
 
 前に述べた、Audiogateを使う方法や foobar2000 を使う方法は出力の際にPCMに変換されてしまうため、DSDのまま再生する事が出来ないのだ。 

 現段階では、ソフト、ハード面で商品化されたものが少なく、使い方もやや難しいこともあり普及は遅れているが、最近になって少しづつ状況は改善されつつある。 
 画像その一つが、フォステクスのDSDネイティブ再生対応DAC/ヘッドフォンアンプ、 HP-A8 であろうか。 標準価格:¥100,000であるから、手が届かなこともないが・・・



 主な特長は
 ・高音質32bit-DAC(AK4399)とオールディスクリート回路によるヘッドホンアンプ。
 ・USB High Speed サンプリング周波数最大32bit/192kHz (Windowsは24bitまで)。
 ・高精度TCXOクロックによるアシンクロナス・モード(非同期モード)の採用。
 ・SD(SDHC)カードドライブを内蔵しDSD(DSFフォーマット)の再生に対応。
 ・動作クロックは内蔵クロックと外部クロックの切換が可能(USB入力・SDカードからの再生以外)。
 ・x2、x4アップサンプリング、アップサンプリングのOFFが選択可能。
 などである。

 それにしても、早くDSDネイティブ再生が標準化されて対応製品が多くなることが望まれる。

# by ex_comocomo | 2012-03-28 14:56 | オーディオ関連 | Trackback | Comments(0)
DSD再生への試み(2) DSD by Foobar2000

DSDに挑戦・・・2
foobar2000編


 前に書いたDSD変換は VAIOのDSD変換ソフト DSD Direct を使う方法であった。 変換したDSD(*dsf)ファイルを AudioGate で再生したのである。 少しやり方に問題があるかもしれない。 AudioGateを使えば WAVEファイルを DSDに変換することができるのだから・・・
 何も VAIOのDSD変換ソフト DSD Direct を使うことはない・・・・

 ところで、DSDのファイル形式について幾つか注意がいる。 
 DSDデータには現在大きく3種類が存在する。 DSDIFF (Direct Stream Digital Interchange File Format)、DSF (DSD Stream File)、WSD (Wideband Single-bit Data)の3種類だ。 
 DSDIFFはSACD制作の過程で利用されるフォーマットで、プロの世界で幅広く使われてきたもの。
 DSFはDSD対応のVAIO が採用した形式。 
 WSDは1ビットオーディオコンソーシアムが策定したものであるが、実際のところWSDが利用されているケースはほとんどないようだ。 したがって実質的にはDSDIFFとDSFの2種類と考えてもいい。
 この2つは表記の仕方が異なるだけでデータ精度的にはまったく同じと考えていい。 完全な形で相互変換も可能だ。(DSDディスクはこのうちDSFを採用している。)
 この、DSDIFF と DSF の相互変換が可能なのが AudioGate である。 非常に便利である。
 何故なら、DSD再生ソフト側がフォーマットを選ぶからである。

 例えば、 Foobar2000はプラグインを導入することで DSDIFFとISOを再生できる。 AudioGate はDSF、DSDIFF、WSDとすべてのフォーマットに対応している。 ただし、これらのソフトは何れも 最終的にPCM変換された音が出てくる。

 注: DSDネイティブを聴くには別の仕組みが必要になる。
 DSDネイティブ再生できる再生ソフト
 PlayAudio DSDIFF  UDAPLayer DSF DSDIFF、WSD


 私の場合は、当面はDSD→ PCM変換で聴かざるを得ないので DSF⇔DSDIFF のコンバートが自由にできなければ困る。 これには AudioGate が最適だ。 変換時間はほんの数秒で気にならない。 すばらしいソフトである。
 この AudioGate は単にDSF⇔DSDIFF のコンバートができるというだけではない。 DSDとPCMのコンバートも可能で、 16bit/44.1kHz から 32bit/192kHz までフォーマット変換できるのである。 ただし、PCMに変換するため、本来のDSDの魅力は削がれてしまうが、それでもDSDを聴くことができるメリットは大きい。 当面はこれで我慢するしかない。

 このように DSD 再生に欠かせなくなったAudioGateであるが、先にも書いたように foobar2000 でもDSDが再生可能である。 ただし foobar2000 では DSDIFF Decoder というプラグインを組み込む必要がある。 (プラグインはD.L.して foobarのcomponentに追加する)
  http://www.foobar2000.org/components/view/foo_input_dsdiff
  画面のように Playbackの Input に DSDIFF Decoder が追加されている。 

  画像今回これについて試してみた。 変換されているとはいえDSDの音は確かに素晴らしい。 臨場感が出てくる感じだ。 画面でDSD192000kHzが確認できる。
 ただし、Output の 出力は WASAPI は使えない。 どうしてだろう・・・もう少しチューニングして試してみよう。
 
 追加:
 WASAPIの件は 単なる設定ミスだった。 出力を24Bitにしていたためである。 DACが対応していなかった。 16Bitに設定しなおしてOKとなった。

 
# by ex_comocomo | 2012-03-20 17:16 | オーディオ関連 | Trackback | Comments(0)
ステレオLPの歴史概観

ステレオLPの歴史概観

 アナログLPレコードのデジタル化に取り組んでいるが、今時の若い人のために少しLPの歴史を・・・

 録音の歴史は割愛するが、ステレオLPが出現したのは 1958(昭和33年) RIAA(アメリカレコード産業連合会)が 45-45方式採用決定してからである。
 ステレオLPレコードの形式は、WE(ウェスタン・エレクトリック)が開発した45-45方式と、英デッカが開発したV-L方式という縦振動と横振動の組み合わせ方式が発表されたが、モノラルLPレコードとの互換性などの面で45-45方式に統一された。 そしてこれに合わせるようにして、45-45方式ステレオカートリッジが発売されるようになったのである。 しかもリーズナブルな値段でである。

 45-45方式とは、それ以前に世界的に普及していたモノーラルLPとのコンパティビリティ(互換性)を重視した方式で、国際的に認可された。 つまり、新しいステレオLPを、モノーラルLP用のピックアップでかければ、そのままモノーラルとして再生できるし、ステレオ用のピックアップでモノーラルLPをかけてもまた、そのまま支障なく再生できる、というものだ。 もちろんステレオLPをステレオ用ピックアップで再生すれば、本来のステレオになる。

 このように互換性を重視したとはいうものの、現実には、非常に厄介な問題がいろいろ生じてきた。
 例えば、45-45LPを正しく再生するためには、ピックアップのカートリッジもアームも、モノーラル用のアレンジでは、どうもうまくゆかないのだった。 それも、音質が良くないというような問題以前である。
 針が45-45の複雑な音溝を正しくトレースできずに音が割れる、音がビリつく、歪むなどの問題である。
 また、ステレオLPは、水平・垂直ばかりでなく360度あらゆる方向に信号情報が刻み込まれているために、ステレオLPでは、各方向の振動も音として拾い上げてしまうので、モノーラル時代には気づかなかったターンテーブル(フォノモーター)の回転振動音がノイズになってしまうのである。  この様な状況の中で(ステレオ初期)、一躍名をあげたのがシュアーであった。 やはり名機には其れなりの技術が隠されていたのであった。
 日本でもグレースやDENON、そしてAudioTechnica 等からカートリッジが発売されたし、トーン・アームやフォノ・モータにも数々の名機が生まれた。 

 参考:
 想い出のグレースのカートリッジ 
 
 また、LPの盤の方にも色々な取り組みがあった。

 画像まずはRCAである。 当時、リビング・ステレオと称した、音が躍動する、生き生きとした生演奏のようなステレオが発売された。
 ステレオ録音が実用化した1950年代半ばから60年代初頭にかけての時期、RCAは、ステレオ録音の開発と発展にもっとも積極的に関わり、成果をあげたレコード会社だろう。 1953年10月にステレオ録音の実験を開始したRCAは、試行錯誤を経て、1954年3月、ライナー=シカゴ響のセッションで実用化にこぎけたのだった。 (日本ビクターの初リリースは、ギレリスのピアノ、フリッツ・ライナー指揮のシカゴ響「チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番」ほか)
 これらのサウンドは、約半世紀を経た現在でも、バランス、透明感、空間性など、あらゆる点で音楽的に優れた録音として高く評価されCDの再発がなされるくらいである。

次にコロムビアである。
 画像1961(昭和36年) CBSコロムビアは、「STEREO 360 SOUND」と名付けた録音方式で、自社レコードの優秀性をアピールした。 クラシックは、オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団やブルーの・ワルターのLP等が金色の豪華なジャケットで発売された。 
 ワルターのLPで最初に買ったのが定番の 運命/未完成のカップリングのもの。 未完成はNYPとの録音であった。 1958年録音で、購入したのは昭和40年頃(1965年頃)。 お粗末なステレオ装置で聴いても感動モノだった。 この録音方式は刺激感のないクリアーな音でセパレーションの良さが特長であった。

 画像この時代はある意味でステレオの全盛期でLPも豪華盤(大げさなケースに入ったスコア付の解説書等が入ったもの)が発売された。 
 エンジェルの赤盤、LONDON(デッカ)の優秀な録音も忘れられない。





 そして、時代は流れ 1982(昭和57) フィリップスとソニーが共同開発のCDを発売することになるのである。
 それから、僅か5年でCDの売り上げ枚数がLPを追い越すようになる。 LPレコード時代は幕を下し、ディジタル新時代を迎えるのだが、この時に選択を誤った企業は、次々に姿を消すことになるのである。


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# by ex_comocomo | 2012-03-19 11:45 | オーディオ関連 | Trackback | Comments(0)
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